SDGsを考える(4)飢餓問題

SDGs17課題の第2は「飢餓をゼロ」にだが、日本は飽食だったり、何百万トンもの食品ロスを出しているので実感が乏しい。しかし、日本の食糧自給率はカロリーベースで36%程度だからたとえ、1,2年でも世界レベルの凶作が起こると大変なことに成る。
田家康「気候文明史」、日経日ビジネス文庫(2019年3月文庫化)で歴史に見られる凶作を調べると次に示すように江戸時代以後でも度々発生している。

寛永の飢饉:1642年~1643年の年間 西日本の干ばつ、東日本の冷害
元禄の飢饉:1691年~1695年の年間 (マウンダー極小期)
享保の飢饉:1732年 年間 西日本中心にイナゴとウンカの大発生
天明の飢饉:1753年~1757年の年間 (ダルトン極小期)フランス革命の原因となった。
天保の飢饉:1833年~1839年の年間 (ダルトン極小期)

マウンダー極小期とダルトン極小期は数十年に亘って太陽黒点が消滅したため世界規模の寒冷化で日本だけでなくヨーロッパで凶作による大飢饉が発生した。黒点の消滅は他の天体から降り注ぐ宇宙線から守ってくれる太陽磁気圏が無くなり、宇宙線の刺激で雲の量が増えるためではないかと言う説が有る。

また、巨大火山噴火も成層圏にエアロゾル層を作るため寒冷化をもたらすことが有る。1783年にはアイスランドのラキ山噴火でヨーロッパが、浅間山の噴火で関東が凶作に成ったと上記文庫本に書かれている。また、1963年のインドネシアバリ島のアグン山、1991年のフィリッピンルソン島のピナツボ山の噴火で気温の低下が見られたことも書かれている。
上記書籍には書かれて無いが1936年の2.2.6事件も当時の東北地方の凶作が遠因だと言う説もある。

従って、今世紀末までの期間を考えると地球全体の温暖化が続いていても数年程度の短期間の寒冷化による世界規模の大凶作が起こらないとは言い切れない。
日本ではコメだけは1年分程度が備蓄されているが輸入穀物で飼育されている牛、豚、鳥肉の生産は激減する恐れが有る。

心配し過ぎと言う人も居るだろうが私は戦中、戦後の食糧難で苦しんだ経験を持つので飢饉の可能性を無視できないでいる。

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