SDGsを考える(3)貧困問題

SDGs17課題の第1は「貧困を無くそう」だが、先進国で暮らす我々には少々関係が少ないととらえがちだ。確かに多くの開発途上国は貧困による衣食住の欠乏や医療支援の不足で平均寿命が先進国に比べて著しく低い。しかし、TEDでなされたリチャード・ウィルキンソンの講演(NHK D021チャンネル「スーパープレゼンテーション」2014年7月30日放送)の「格差が社会を滅ぼす」で、先進国では国民所得より、それぞれの国内所得格差が大きな問題を起こしていると主張していた。
従ってSDGsの第1項は、先進国での国内の貧困層に目を向けなければならない。
例えば図に示すように先進国の平均寿命は一人あたりの平均所得と無関係だ(相関が無い)。
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しかしそれぞれの社会の総合的な問題発生率は次の図に示すようにそれぞれの国内の所得格差と非常に大きく関係している(相関が強い)。
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この図で、アメリカが極端に悪い結果が出ている。ウイルキンソンはアメリカとカナダの州ごとの所得格差と殺人発生率の関係を示していたがこれも明確な相関が見られた。日本と北欧4か国はいずれも所得格差も問題発生率が低い。北欧は大きな収入差を税金で圧縮しているのに対して日本は元々の収入格差が小さいと言う違いが有るそうだ。
先進国の問題発生率の影響は格差そのものでなく格差の固定が問題だと指摘し、アメリカンドリームを実現したいアメリカ人はデンマークに移住すべきと皮肉っていた。
この様に考えると先進国でも「貧困」は決して無関係なことではない。

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