超巨大噴火の前歴を持つクラカトア

インドネシアのジャワ島とスマトラ島の間に位置するスンダ海峡で2018年12月22日に500人近い死者と120人以上の行方不明者を出す津波が発生した。クラカトア(アナク・クラカタウ)島の海底で火山の岩体崩壊が発生したためとされている。しかし、クラカトア島は1883年に死者36,417人を出した最大40m近い巨大津波を起こした前歴が有る。この時の情況はサイモン・ウィンチェスタ著「クラカトア大噴火」(早川書房、2004年1月)に詳しく述べられているのでその要点を下記する。
現在のスンダ海峡は主都ジャカルタから100kmほど離れた、特に目立つ場所ではないが当時はオランダ東インド会社がアンイエルの湊に出張所を置き、胡椒などの香辛料を輸出する拠点で、各国の船舶が出入りしていた。このためクラカトア島の巨大噴火とその後の巨大津波の多くの情報は正確に記録され、有線通信網を通じて短時間でヨーロッパに伝えられた。
この時は1883年5月10日から15日にかけて小規模の噴火が始まり5月23日にスンダ海峡一帯を軽石で埋め尽くすほどの大きな噴火が繰り返し発生した。その後、8月まで噴火が続き20日ころから更に激しくなり、27日午前5時30分、6時44分、8時20分、10時2分の4回の巨大噴火が起こった。
第4回目の噴火が最大で上記書籍の表紙に画かれている高さ800mものクラカトア島を完全に消滅させるほどのすさまじさだった。爆発音は4,800km離れたインド洋ディゴガルシア島で軍艦の砲声並の音として聞こえたと言う。耳に聞こえない低周波の気圧振動は世界中の気象台で記録され地球を7周したそうだ。
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この時に発生した津波は37分後アンイエルを襲い、標高35mの高さの石作りの別荘に避難していた人たちを流し去るほどの巨大さだった。

クラカトア島が再びこのような巨大噴火を起こす懸念が無いか心配される。一般的に、火山は同じような噴火を繰り返すことが多いからだ。それ以上にクラカトア島は依然として活動を続けているからだ。1883年に完全に消滅した島は1920年頃以降、現れたり消滅したりを繰り返したが1950年には標高460mの島となった。
更に、1883年は5月頃から次第に噴火が激しくなり8月27日の大噴火に結びついたのだから現在の噴火が巨大噴火の前兆でないと言い切れない恐れが有る。要はクラカトア島の地下に巨大なマグマ溜まりが生じていないか、と言うことだ。最近は地震波CTを利用してマグマ溜まりの大きさを推定できるようになっている。この点では日本の技術が役立つと思う。

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