浮力を間違えないように

浮力は小学校で教わる基本的な現象だが、時には浮力を利用した(とする)永久機関の特許を出願する人が現れるので鵜呑みにしてはいけない。図に示す問題を大学の講義などで出しても正解した学生は200人中3,4名でしかない。
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問題はつぎの通りだ。「重さを無視できる容積1リットルの容器に700ミリリットル空気を満たした風船を容器の底に結びつけて容器に水を満たす。風船は浮力で容器を700グラムの力で引き揚げようとする。しかし、水は300グラムしかないので差引400グラムの力で容器全体を浮き上がらせるはずだ。」「現実には400グラムの力で容器が飛び上がるようなことは起こらない。何故でしょう」

アルキメデスの「浮力の原理」は間違っているのか?そのようなことはない。アルキメデスは「ある物体が排除した液体の重量に等しく物体の(見かけの)重量が減少する」と言っている。図の問題も容器に風船を入れたことで1リットルの水のうち700ミリリットルの水が溢れだすため全体の重量は300グラムになる。
では、浮力と水の重量の関係はどうなるのか。容器の底面に加わる水圧を考えればよい。容器の底面積が100平方センチで高さが10センチとする。風船が入っている場合は水面の高さは10センチだから容器の底には100×10=1000グラムの水圧が加わる。容器の底を700グラムの浮力が引き上げるから差引300グラムとなり、全体が飛び上がることはない。
風船を取り除くと水面の高さは3センチとなり、容器の底面にかかる水圧は300グラムとなる。

浮力のような基本的な現象も機械的に暗記すると時には間違える、と言うことです。
ある大学で出題した時、3重積分の式を示した学生が現れた。「正解だけど、小学生でも理解できる説明方法を考えては」とアドバイスした。
別の大学では「このような場合の考え方は塾で習いました。」と正解を示した学生が現れた。中学でも、高校でもなく「塾」と言ったのには苦笑を禁じ得なかった。

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