仕事をするエネルギと仕事をしないエネルギ

You Tubeに永久磁石の強力なエネルギを利用して投入電力より大きなエネルギを出力すると言うモータが動画投稿されていた。詳細に眺めると投稿者の主張と違って、外部のモータで回転させているように見える。

物理の基本的な法則である「エネルギ保存則」(投入エネルギより出力エネルギが大きくなることは無い)に反するので特許を出願しても特許権の審査請求段階で無条件に却下される類のアイディアだ。

このYou Tube投稿者だけでなくGoo Gleでも磁石のエネルギを利用したエネルギを生み出すモータを研究すると称する人物を見かけた。
確かに、最近のネオジ磁石は1立方メートル当たり30万ジュールものエネルギを保存できる。これにつられて、磁石から上手くエネルギを引きして物理の基本側を覆すことを夢見る人が現れるのだろう。

我々が利用するのはジュールで表される仕事量ではなく仕事率ワットだ。仕事量の1秒間の変化率(W=J/s)だ。磁石を放置してもエネルギは変化しない(秒は無限大)からワットはゼロだ。一般の感覚に合わせてゼロワットを「仕事をしていない」と言うことにする。

大きなエネルギを持っていてもワットを引き出せない現象は他にも、身近に多数存在する。例えば海水表面の世界平均温度は20℃もあり、海洋の全表面積では膨大な熱エネルギを持っているが温度差が無いため仕事を取り出せない。つまり、仕事をしないエネルギだ。
また、ダムに蓄えられた大量の水は高い位置エネルギを持つがそのままでは発電できない。水を低い場所に流しだしたときに発生する運動エネルギーに変換して発電している。

太陽光発電は光の電磁波エネルギが電子を1つ上の軌道に押し上げるときに発電する。火力発電は燃料を燃やして化学エネルギを熱エネルギに変換し、水を蒸発させて運動エネルギに変換している。水車や風車などは運動エネルギを直線運動から回転運動に変換して発電する。

毎秒毎秒変化するエネルギだけが仕事をし(ワットを生み出し)、いくら大きくても変化しないエネルギは仕事をしない。

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